【最新の予防対策】現場での熱中症防止の為の最新グッズについて
6月が終わりに近づき、もうすぐ7月に入ります。
もうすでに暑いのに、これから7月〜9月はもっと暑くなることを考えると、現場で仕事をする方にとってはとても嫌な季節ではないでしょうか。
この時期で最も悩ましい問題それが「熱中症」です。
熱中症はひどくなると命に関わる危険性がある為、現場作業者の方だけでなく現場を管理している方にとっても最優先で取り組むべき事柄になります。
最近では熱中症対策の為の便利なグッズが沢山発売されており、便利な世の中になってきました。
この記事では、その中でもハイテク技術を駆使した熱中症対策グッズについてご紹介していきます。
ハイテク技術を取り入れた熱中症対策グッズで熱中症発生ゼロを目指しましょう。
熱中症とは
熱中症は高温多湿の環境下において、体温の調整が上手く出来なくなることで生じる健康障害の総称を言います。
初期症状は頭痛や目眩などですが、症状がひどくなると痙攣や嘔吐、意識の消失などが出始めます。これが更に進行し深刻な状態になってしまうと、現在医療でも手の施しようがない重篤な状況になってしまう可能性があります。
ただ、熱中症対策を確実に行えば予防出来ますし、熱中症に掛かったとしても適切に対応すれば重篤化を防ぐことも可能です。
熱中症の発生推移
日本の平均気温は昔と比べると右肩上がりに上昇してきています。
引用先:気象庁「日本の年平均気温」
上のグラフは、1991年〜2020年の平均気温の差を各年毎にプロットした図になります。これを見ても日本の平均気温が段々上がってきているのが分かります。
引用先:国立環境研究所「熱中症死亡者の年次推移」
次の図は熱中症死亡者数の推移を年毎にグラフ化したものです。年によって増減はあるものの、こちらについても増加傾向にあることが見て取れます。
昔と比べると「暑くなったな〜」という感想をいつも持っていましたが、こうして数字にも表れているんですね。
労働現場での熱中症発生状況
業種別の熱中症死傷者数は次の通りです。
引用先:厚生労働省「職場でおこる熱中症」
労働現場での熱中症の死傷者数を業種別に見ると建設業が最も多く、次いで製造業、運送業、警備業と続いています。
死亡者数については特に建設業が突出して多く、建設業に従事されている方にとっては熱中症対策がこの時期最も重要な課題であると言えると思います。
深部体温による熱中症対策
最近では「深部体温」の上昇を推定して熱中症予防を対策する製品が開発されています。
深部体温とは
深部体温は体の内部の体温のことで、人間は脳や臓器といった体の中の大事なものを守るために、この深部体温を一定に保とうとしています。
通常の状態では36.5℃〜37.5℃ぐらいで安定して推移しているのですが、この深部体温が上昇して脳などの臓器に影響を及ぼし始めると、呼びかけに応じない等の症状が出てきます。この状態がいわゆる熱中症です。
つまり、この深部体温を管理することが出来れば、内在する熱中症のリスク低減に繋がるのではないかというところに着目したわけです。
深部体温の推定
深部体温は人間の体の中心の温度である為、正確に測定するには直腸や鼓膜といった部位で測定する必要があります。
ただ、そのようなデータを所得することが簡単ではないことから、深部体温と相関する別のデータを所得することで深部体温を推定するという技術が確立されました。
それが心拍情報です。
最近の研究では深部体温と心拍に相関関係が有ることが分かっており、心拍を解析することで深部体温を推定できるということが明らかになってきています。
最新の熱中症対策グッズ
最近ではウェアラブルデバイスを体に装着することで深部体温を推定し、体調の変化を作業者本人に伝えたり、スマートフォンで解析・管理できるツールが商品化されています。
製品の中には測定した情報を作業者本人だけでなく、管理者に伝えることができるものもあり、現場作業者の体調の変化を遠隔で管理することが可能になっています。
現在商品化されている製品についていくつかご紹介していきます。
ミツフジ「Hamon band」
引用先:ミツフジ「Hamon band」
ミツフジの「Hamon band(ハモン バンド)」は腕に付けるだけで脈拍の変化から深部体温の上昇を検知できる腕時計型デバイスです。
ミツフジ独自のセンシング技術とアルゴリズムにより、暑熱リスクをLED表示とバイブレーションで作業者自身に知らせてくれます。
腕時計型ということであまり作業の邪魔にならないこと、IP67の防水・防塵機能を備えているということで、比較的気軽に使うことが出来ます。
価格は¥9,900円/個とお求めやすい価格なのも嬉しいですね。
Biodate bank「熱中対策ウォッチ カナリア」
引用先:Biodate bank「熱中対策ウォッチ カナリア」
Biodate bank「熱中対策ウォッチ カナリア」もHamon bandと同様に深部体温の上昇を検知してアラートを出す腕時計型デバイスです。
Hamon bandはLEDとバイブレーションでしたが、カナリアはLEDとアラームで作業者に暑熱リスクを知らせてくれます。
前出のHamon bandは充電式でしたが、カナリアはワンシーズン(3〜4ヶ月)使い切りの製品になります。
この製品についても耐衝撃性や熱耐性、IP67の防水・防塵性能も備えているので、現場で使用中に故障するようなこともないと思います。
使い捨てということもあり、価格が¥4,950円/個とこの手の商品ではとても安価なのもポイントですね。
ミツフジ「MITSUFUJI03」
引用先:ミツフジ「MITSUFUJI03」
Hamon bandのミツフジから販売されているスマートウォッチ型デバイス「MITSUFUJI03」です。
MITSUFUJI03はHamon bandと同様に深部体温の変化を検出できるほか、装着者の心拍変化による体調の変化やストレスについてもデータ所得ができる、とても高機能なウェアラブルデバイスです。
MITSUFUJI03はe-SIM内蔵によるLTE通信機能を搭載しており、クラウド連携することで装着者のデータを遠隔で管理者が一元管理することができます。
この製品はコンシューマ向けの製品ではない為、導入する場合はミツフジのホームページから会員登録をして購入手続きを行う必要があります。
※ミツフジ「MITSUFUJI03」の購入はこちら
※トライアルをご希望の方はこちら
まとめ
以上、最新の熱中症対策グッズについてご紹介いたしました。
今回ご紹介したグッズは熱中症に掛かりそうな人を事前に検知してお知らせしてくれる製品になります。熱中症に掛からないようにする為の製品ではありません。
熱中症に掛からないようにする為には、日頃の食生活や健康管理、十分な水分・塩分補給など、基本的な対策はしっかりと行わなければなりません。
また、万が一に備えて十分な水分・塩分や経口補水液の準備、休憩所の確保なども大切です。せっかく、熱中症に掛かりそうな人を事前に検知できたとしても、その後の適切な処置が出来なければ意味が無いからです。
基本的な対策を行いつつ、ここでご紹介したウェアラブルデバイスを有効に活用しながら、今夏も熱中症ゼロで乗り切りましょう。