【後ろからついてくる】「電動追従台車Forolley/コレック」について
日々の仕事で重たい荷物を運ぶために使用する手押し台車。
物流業界や製造工場、お店の中や一般家庭など様々なシーンで活用されています。
手押し台車は「手押し」というだけあって人間の力で押して動かしますが、モータを内蔵して押す力をアシストしてくれる電動台車というものも存在します。
電動自転車のようなイメージですね。
ただ、今回ご紹介する電動台車はただの電動台車ではなく、なんと人の後ろを自動的についてくるという夢のような台車なんです。
それが、中西金属工業株式会社が手がけている「Forolley(フォロリー)」という製品です。
この記事では「Forolley」という台車がどのような製品なのかを詳しく解説していきますので、何かの参考にして頂ければ幸いです。
昨今の技術の進歩は本当にめざましいですね。
中西金属工業とは?
中西金属工業とは「コレック」というブランドを展開し、電動台車をはじめハンドリフターやフォークリフトなどの物流運搬機器を製造しているメーカーです。
手動操作の機器以外にも、自動で動く無人フォークリフトや自動床洗浄ロボットなどもラインナップされています。
これらの技術を応用し、「ものを運ぶ」ことに特化して幅広いシーンで活用できるよう開発されたのが「電動追従台車 Forolley」です。
Forolleyとは
では、Forolleyとはどのような製品なのかを解説していきます。
自動で後ろからついてきてくれる
Forolleyの最大の特徴は手押し台車が自動的に後ろからついてくるという点です。
手押し台車を押して移動する場合、両手がふさがってしまうため別の道具を持って移動するとことが困難ですが、Forolleyは人の手を介さないでついてきてくれるため、一度に沢山の荷物を運搬することが可能になります。
また、清掃など作業を行いながら移動するという仕事でも、道具を積んでおけばわざわざ人間の手で移動させなくても済むようになります。
Forolleyの最大の強みが自動追従です。
前を走ってくれる
Forolleyは人の後ろをついてきてくれるだけでなく、人の前を走らせることもできます。
ニーズは少ないかもしれませんが、用途やシーンに応じて使い分けることが可能です。
アイデア次第で様々な使い方ができるね。
遠隔操作ができる
Forolleyは自動で動いてくれるだけでなく、リモコンを使ってラジコンように遠隔操作することもできます。この点は電動ならではですね。
アイデアを駆使すれば様々な使い方が可能になります。
オモチャにしないよう注意しないとね。。。
手軽に導入ができる
Forolleyは自動追従機能と遠隔操作のみに機能を絞っていることや、一番使い勝手のいいサイズに抑えていることから、比較的低価格で導入することができます。
他のメーカーにも様々な自動追従台車がありますが、高機能になるほど導入のハードルが上がります。
手軽に導入しやすいという点がForolleyのメリットとも言えるのではないでしょうか。
機能性と導入コストのバランスが取れているのもForolleyの良いところです。
Forolleyの詳細
Forolleyの詳細について詳しくみていきましょう。
外観
引用先:J-WORKS(電動追従運搬台車 Forolley「フォロリー」)
Forolleyはこのような外観になっています。パッと見は普通の手押し台車と大きな違いはありませんね。
後ろ側にモーターが内蔵されているため、一般的な手押し台車よりも大きめの車輪が取り付いています。
引用先:中西金属工業(電動追従台車Forolley)
Forolleyの外形図が上記です。一般的な手押し台車とサイズがほとんど同じなので、誰にでも扱いやすそうですね。
引用先:もりや産業株式会社(電動追従台車Forolley)
取っ手の根元のハンドルを外すと、このように折りたたむこともできます。使用しない時の収納も困ることが無さそうです。
センサー
Forolleyには人を検知して制御するための超音波センサーと、他の人や物を検知して万が一の場合に自動停止する障害物センサーの2種類が備わっています。
引用先:中西金属工業(電動追従台車Forolley)
台車の後部には左右に超音波センサーと障害物センサーがあり、真ん中にも障害物センサーが設置されています。
引用先:中西金属工業(電動追従台車Forolley)
台車の前部にも左右及び真ん中に障害物センサーがそれぞれ設置されています。
前後の四隅と真ん中にそれぞれ障害物センサーがあるので、不意に誰かが台車の進行方向に立ったとしても安全に停止してくれますね。
この障害物センサーは2.1m先に障害物を感知すると減速し、0.9mまで近づくと自動停止させるという仕組みになっています。
障害物センサーの仕組みは無人搬送台車等と同じだね。
Forolleyは人の後ろをついて来させる「追従モード」以外に、人の前を走らせる「行進モード」もあります。追従の場合は約1mの間隔を保ってくれるのに対し、行進の場合は約1.6mの間隔を維持しながら走行します。
バッテリー
引用先:中西金属工業(電動追従台車Forolley)
Forolleyはリチウムイオンバッテリーで駆動します。
専用バッテリーはブリーフケースのような形をしていて、専用の充電アダプターを使用して充電します。
稼働時間は約8時間ということなので、満充電しておけば一日使用することができますね。
引用先:中西金属工業(電動追従台車Forolley)
バッテリーの着脱は後部にあるスペースにスライドさせて行います。充電はこの状態でも可能です。
操作用リモコン
引用先:中西金属工業(電動追従台車Forolley)
Forolleyの操作は付属してくる専用リモコンを使用します。
この専用リモコンはForolleyを追従させるための送受信機のような役割も果たし、後ろからついてきてほしいときは背中側に、前を走ってほしいときはお腹側に取り付けます。
引用先:中西金属工業(電動追従台車Forolley)
Forolleyを手動で遠隔操作したい場合もこのリモコンを使用し、約30mまで離れても操作することができます。
引用先:中西金属工業(電動追従台車Forolley)
ちなみに専用リモコンも充電式で、付属してくるUSBケーブルを使って充電してから使用します。満充電すると約30時間使用できるので、本体のバッテリーよりは頻繁に充電する必要はなさそうです。
Forolleyのスペック
Forolleyの基本的なスペックについては以下の通りです。
本体重量
バッテリーを含んで約20kgです。バッテリーは約7kgなので本体だけだと約13kgになります。
電動にしてはそこまで重くはないので、人間の手で移動させることが可能です。
最大積載荷重
Forolleyの最大積載荷重は約150kgです。
一般的な手押し台車と同程度で、電動だからといって積載荷重が少ないということはありません。
150kgを手押し台車に乗せて運ぶと相当体力を消耗するので、これを自動で運んでくれるととても助かりますね。
走行速度
追従モードだと最大5.4㎞/h、遠隔操作だと前進4.0㎞/h・後退2㎞/hです。
なので、追従モードは人が歩くスピードよりも若干速く動くことができます。
ただ、障害物センサー等で検知しながら歩行速度に合わせて常に一定の間隔を保ってくれるので、人にぶつかるということはありません。
稼働時間
Forolleyのバッテリー駆動時間は最大約8時間で、0からフル充電するのに約5時間です。
また、専用リモコンは最大約30時間使用でき、フル充電には約2時間掛かります。
本体サイズ
引用先:中西金属工業(電動追従台車Forolley)
大きさは幅約610㎜×奥行1,000㎜×高さ1,000㎜というサイズ感です。
荷物を載せる荷台部分は幅600㎜×奥行900㎜となっています。
Forolleyの注意点
物の運搬に大活躍してくれそうなForolleyですが、いくつか注意点があります。
Forolleyは屋内専用
Forolleyは工場内などの屋内で使用することを想定して作られています。
雨などにより本体が水に濡れると故障する原因になりますので、屋外での使用は行わないようにしてください。
また、障害物センサーは太陽光のような強い光で誤動作する可能性があります。晴れているからといって屋外で使用することもやめるようにしましょう。
電波などの強い外乱による影響
Forolleyは様々なセンサーを使用して電気制御によって動作しています。なので、電波塔などの強い外乱が近くにあると、干渉によって誤動作する可能性が少なからずあります。
周囲の環境を考慮して導入するようにしてください。レンタル等で実験的に使ってみるという方法もあります。
自動運転は絶対ではない
Forolleyは様々なセンサーを駆使して安全に十分配慮された設計をされていますが、センサーを過信して近づいたり、走行中にいきなり前に出るなどすると、誤動作によって停止しないということが考えられます。
また、センサーが人を検知して停止した際に、荷物が崩れて人に当たるという事態も考えられます。
取扱説明書をよく読み、使用する場合にどのようなことに注意すべきなのかを確認したうえで使用するようにしましょう。
荷物の乗せ方や走行させる路面の状況などにも注意が必要だね。
点検・メンテが必須
Forolleyを故障や事故なく使っていくには、使用前点検と日々のメンテナンスが必須になります。時には劣化部品の交換等で費用が発生する場合もあります。
維持のためのランニングコストが掛かる製品であることは認識しておきましょう。
センサーの清掃等、日々のお手入れも必須です。
その他の自動追従台車
Forolley以外にも様々な自動追従台車が世の中には存在します。
自動追従台車かもーん
引用先:レンタルのニッケン(自動追従台車かもーん)
レンタルのニッケンが自社開発した「自動追従台車かもーん」という製品です。
「かもーん」は最大積載荷重が600kgということで、より重量のあるものを運べるのが特徴です。
また、複数台の追従にも対応していて、人の後ろを2〜3台の「かもーん」に追従させることができます。
サイズは全長1,420㎜×全幅835㎜×高さ1,175㎜とForolleyよりも一回り大きく、本体重量は205kgとかなり重量級の台車となっています。
汎用性はそこまで高くはありませんが、後ろからついてくる自動追従台車としては最も重いものを運べる製品なので、工事現場の資材を運ぶなど使い方次第で作業の効率化が図れるのではないでしょうか。
自動追従台車ひもーん
引用先:レンタルのニッケン(自動追従台車ひもーん)
同じくレンタルのニッケンが自社開発した「自動追従台車ひもーん」という製品です。
さきほどの「かもーん」とよく似ていますが、「ひもーん」は専用の紐を路面に敷くことで、その紐を追従して自動走行するという仕組みを採用しています。
「かもーん」と違って人が台車の前を歩く必要がないので、走行ルートが決まっている場合はこちらの方が便利かと思います。
ボディは「かもーん」とほぼ同じサイズで、最大積載荷重も同じ600kgです。
協働運搬ロボット サウザー
引用先:SUS株式会社【協働運搬ロボット Thouzer (サウザー)】
「協働運搬ロボット サウザー」は株式会社Doogという様々なロボット開発しているベンチャー企業の製品で、かなり高性能な自動運搬台車です。
最大積載重量別に3種類あり、ニーズに合わせて最適なサイズを選べるようになっています。
製品仕様 | サイズ | 最大積載 重量 | 牽引重量 目安 |
ミニ | W45㎝×L48.5㎝ ×H99㎝ | 60kg | 150kg |
スタンダード | W60㎝×L95㎝ ×H99㎝ | 120kg | 300kg |
ジャイアント | W70㎝×L118㎝ ×H99㎝ | 300kg | 600kg |
また、「サウザー」は人の追従以外にも様々な機能を搭載しています。
人や台車の自動追従
前を歩く人だけでなく、他のサウザーの後ろを自動追従させることができます。
また、幅80㎝までの直線路を走行できたり幅100㎝までの直角カーブを曲がれたりと、独自のソフトウエア技術によって走行の安定性も抜群です。
ライントレース機能
専用のテープを床に敷設することで、テープの上を自動走行できる機能を搭載しています。
テープは都度張り替えることができるので、急なルート変更にも直ぐに対応することができます。
メモリトレース機能
人に追従して走行した周囲の環境を「サウザー」が記憶することで、専用テープを敷設しなくても記憶したルートを走行させることができる機能です。
こんなすごい電動台車があるんだね〜。
最先端の自動追従台車である「サウザー」、導入したら働き方が変わるかもしれませんね。
まとめ
以上、中西金属工業株式会社の「電動追従台車Forolley」についてご紹介しました。
Forolleyは身近な手押し台車が電気制御で動いてくれるとても画期的な製品です。
上手に活用すれば、作業の効率が上がるだけでなく、日々の仕事の身体的負荷が軽減されることは間違いないでしょう。
導入を検討されていましたら本記事を参考にして頂けたら幸いです。