【忙しい方必見!】現場の仕事を効率よく行うためのコツや工夫について
現場工事に携わる担当者は、体力や集中力が必要なだけでなく、予期せぬトラブルやイレギュラーな対応にも柔軟に対処することが求められます。
このような作業環境の中、現場担当者が決まって感じること、それが「忙しい」という想いです。
この「忙しい」現場において、少しでも自らの負担を軽くするためには、効率よく仕事を進めることが不可欠であり、少しでも楽になる工夫ができれば、仕事の質が向上するだけでなく疲労感を軽減することにもつながります。
しかし、「効率化」や「楽になる工夫」と言っても、何をすれば実現できるのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、現場の「効率化」と「楽にするための工夫」をテーマに、現場で取り入れられるテクニックや考え方についてご紹介しますので是非最後までご覧下さい。
なぜ忙しいと感じるのか?
現場では何故いつも「忙しい」と感じてしまうのでしょうか?
スケジュールがきつきつ
現場で忙しいと感じる要因の1つとして挙げられるのが、とてもタイトなスケジュールを組んでしまっているという点です。
1日に作業できる時間が限られているにも関わらず、余裕のないギリギリのスケジュールを組んでしまうと、仕事をこなすのに必死になってしまいます。
そのような環境下では、担当者の心が安まる瞬間がほとんど無いため、常に「忙しい」と感じることになります。
イレギュラーやトラブルの発生
現場では全てが想定通りに進むわけではなく、予期しないトラブルが発生したり、思っていた内容と違うといったことがザラにあります。
1つでも想定外の事態が発生してしまうと、その対処で時間を余分に取られてしまい「忙しい」と感じる原因になります。
準備不足
現場で必要な道具や資材の準備が不十分だと、仕事の効率が落ちたり、緊急で入手する手間などが発生して、時間のロスが生じます。
このような時間のロスがあると、作業の進捗が想定よりも遅れてしまうことになりかねず、本来余裕のあった工程でも「忙しい」と感じることになります。
「忙しい」のは時間が無いと感じるから
なぜ「忙しい」のか?
その原因を紐解いていくと、これらに共通しているのが「時間が無い」と担当者が現場で感じてしまっていることです。
つまり、限られた時間の中で予定通りに作業を終えることが難しい状況に陥っているのです。
この「時間が無い」状況を生み出さないように工夫することで、現場の「忙しい」を軽減することが可能になります。
どうすれば「時間が無い」を解消できるのか?
現場の「時間が無い」を解消するにはどうすれば良いのでしょうか?
それはズバリ、「事前の段取り」です。
事前の段取りをしっかり行うことで、現場作業の効率は格段に向上し、時間のロスを最小限にすることが可能になります。
仕事は「段取り八分、仕事二分」と捉える
社会人の方であれば、「段取り八分、仕事二分」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この「段取り八分、仕事二分」とは「段取り80%、仕事20%」という意味で、1つの業務に対して掛けるべき労力の重要度を割合で表した格言です。
平たく言えば「仕事は段取りで決まる」ということですね。
現場作業の事前準備とは主に次のような事項です。
作業前の事前調査
実作業に入る前に必ず行うべき事前準備が現場の事前調査です。
慣れた作業であっても、作業する現場の環境によって準備するべきものが変わる可能性がありますので、必ず作業を行う前に現場を下見して、必要なものをリストアップするようにしましょう。
また、作業するうえで現場に置いてある資材や装置が邪魔になる可能性もあります。必ず下見の段階で確認を行い、客先には事前に撤去頂くよう依頼してください。
現場での急な作業手順変更は必ず時間のロスになります。そのようなことを起こさないためにも事前調査は非常に重要な準備です。
いくつかのパターンを想定する
事前調査で現場の確認ができたら、結果に基づき作業方法を決めていきます。
ただし、作業方法は1パターンではなく、上手くいかなかった場合を想定して2〜3パターンの作業方法を必ず考えておきましょう。
例えば、部材の切断がセーバーソーでは思うように出来なかった場合に、ガス切断に切り替えるといった具合ですね。
作業方法を1パターンだけに絞って現場へ入ってしまうと、その方法で上手くいかなかった瞬間に詰みの状態になりますし、すぐに方法を変えることも道具が無ければ難しくなります。
Aプラン・Bプラン・Cプランを必ず準備して、実作業に臨むようにしてください。
道工具・資材類の確認
作業方法を複数パターン決めたら、全ての作業に必要な道工具や資材類を抜けなく準備します。
特に消耗品類は現場で足らなくなると現地調達という手間が発生しますし、もし現場が山奥などの人里離れた場所であれば調達そのものが難しくなります。
電気工具等についても現地で故障する可能性がありますので、必ず道工具や資材類は持っていける範囲で多めに準備するようにしましょう。
「こんなにいるか?」と感じるぐらい道工具・資材類はある方が良いです。
図面・資料を必ず確認する
作業に入る前に図面や施工要領・工程表などの資料は必ず事前に確認しておきましょう。
慣れたお馴染みの作業であっても、現地での作業条件や工程、担当者の考え方によってガラッと変わる可能性があります。
図面や資料を事前に必ずチェックし、今回の仕事の内容や条件について事前に確認・把握しておくようにしてください。
現場で考える時間を極力減らす
現場での作業時間を奪う要因の一つが「現場で考える」ことです。
現場で考える時間を極力減らす工夫を事前に行っておくことで、作業時間のロスを最小限に抑えることができます。
現場に特化した資料を作る
用意されている図面や資料は様々な情報を網羅していますが、逆に言うと不要な情報が盛り込まれていると言い換えることもできます。
そのため、資料をそのまま現場で使用すると都度情報の取捨選択をする必要があり、欲しい情報にアクセスするのに手間や時間を要してしまいます。
現場作業をより効率的に行うためには、現場作業に必要な情報だけの簡略化された資料に作り替えておくことが非常に有効です。
出来れば活字よりも図や色分けを多く使って、見ただけで大体内容が把握できるようなシンプルなものがベストです。
事前の手間が少し掛かりますが、パッと見で分かる資料が現場にあると作業される方の効率は劇的に上がります。
頭を使うことは事前にやっておく
配線の端末処理や部品の組み立てなど、頭を少しでも使うようなことは事前にやっておくことで現場での考える時間を減らし、ミスなども未然に防ぐことができます。
せっかく部品をしっかり準備しても、ある程度かたちになっていないと探す手間や考える時間が発生するだけでなく、取り付けを間違えたりすると後戻り作業が発生し、考えた時間も全て無駄になります。
少しでも考える・探す手間は現場に残さないように、事前にできることはやっておきましょう。
治具を作る
「治具(じぐ)」とは、「部品を製造・加工するのに使用される特定の形状や機能を持つ補助的な道具や装置」と定義されています。
つまり、僕たちの世界で言うと、現場での作業をスムーズに行うために1つのことに特化した機能や形状を持つ道具、それが「治具」です。
一般的に売られている道工具は様々なことができる反面、かゆいところに手が届かないという場合が多いですが、治具は別の用途で使い回しがしにくい反面、かゆいところに手が届くというメリットがあります。
なので、作業の中で時間が掛かりそう、もしくは手こずりそうな工程に治具を取り入れることで、現場での作業時間の短縮が可能になります。
ただし、治具は自分の用途にマッチしたものが売られているわけではなく、治具を使って作業の効率を上げるには自分で作る必要があります。
とは言え、複雑な形状のものを考える必要は決して無く、鋼材に穴が空いているだけのものでも立派な「治具」です。また、自分で鋼材を切ったり溶接したりしなくても、形状だけ考えてあとは製缶業者に作ってもらうという手もあります。
「工事をやるときは何か一つでも治具を作れ」と僕自身言われたことがあります。治具があるだけで現場作業の効率が劇的に変わりますので、是非簡単なもので良いので作ってみてください。
余裕を持った工程を最初に提示する
現場での時間を確保する確実かつ手っ取り早い方法が、「余裕を持った工程」でスケジュールを組むことです。
物理的な時間の余裕が現場にあれば、多少のイレギュラーがあったとしても余裕を持って対処できるので、気持ち的にも楽に現場運営にあたることができます。
ただし、最初の見積段階でタイトな条件を客先に提示してしまうと、あとから覆すことが非常に困難になります。
作業員の人数や作業日数は、自分が思う規模の1.2〜1.3倍程度は最低でも多めに見積もっておくべきです。
実際の作業になって時間が余ったとしても調整はできますし、確認作業や清掃等に時間を使うこともできますので、工程は最初の提示から余裕を持って考えるようにしてください。
仕事は段取りでほぼ決まる
以上、忙しい現場の仕事を効率よく楽に行うための方法やコツについてお伝えしました。
様々なことを書かせて頂きましたが、総じて最も大事なことは「事前の段取り」に他なりません。
事前準備をしっかり行い現場で考える時間を最大限減らすことで、現場仕事の効率は劇的に上がります。
是非、本記事の内容を参考にしていただき、事前に出来ることは全て行って現場作業に臨んでください。
「段取り八分、仕事二分」です。