【超便利!】センサーチェッカーSA1P-UC24Vのレビューについて
センサーを新規に設置して動作確認をしたいと思ったとき、あるととても便利な道具が「センサーチェッカー」です。
センサーチェッカーはセンサーに電源を供給したり正常にON/OFFしているかを確認するための機器で、近くに直流電源がない場面で威力を発揮します。
この記事では、最近導入したIDEC製センサーチェッカーがとても便利だった為、皆さんに情報を共有させて頂きたいと思います。
もし、現場のセンサーチェックで不便を感じている方がいたら、是非参考にしてみて下さい。
センサーチェッカーは使い方次第で色んな場面に応用できます。とても便利な道具なので是非導入してみて下さい。
従来のセンサーチェック
従来のセンサーチェックは以下のようなやり方で行っていました。
- DC24Vを出力できる直流安定化電源装置を準備する。
- 100Vのコンセントケーブルを電源装置に接続する。
- 現場の100Vコンセントを探す。
- 確認したいセンサーの近くまで延長コードを這わせる。
- センサーの線を電源装置に接続する。(ビス止め)
- コンセントケーブルを接続し、センサーの動作確認(光軸確認)を行う。
- 信号がちゃんと出力されているか確認する場合は、リレーや表示灯を接続する。
これが1カ所のセンサーを確認するための大まかな手順です。センサーが複数箇所に点在している場合は、延長コードをその場所までまた這わせて、電源装置を担いで移動しなければならないので非常に手間と労力が掛かります。
センサーチェッカーを使うことで、上記手順の面倒くさい部分をほぼ全て省くことができるのです。
導入したセンサーチェッカー
導入したセンサーチェッカーがこちら
IDECの「ポケッタブルセンサチェッカー SA1P-UC24V」です。
このセンサーチェッカーは以下のような特徴を備えています。
コンパクトかつ軽量!
SA1P-UC24Vは本体重量がわずか95gしかなく、サイズがコンパクトなので持ち歩きが苦になりません。ポケットに入れて持ち歩けるサイズ感です。
サイズ | 幅114㎜×奥行き64㎜×厚み24㎜ |
---|---|
本体重量 | 95g(ケーブルは含まず) |
市販のモバイルバッテリーで電源供給!
SA1P-UC24Vは乾電池や内蔵バッテリーではなく、市販のモバイルバッテリーを使用してチェッカー本体やセンサーに電源を供給します。
なので、お手持ちのモバイルバッテリーをUSBケーブルで接続して使うことができます。最近では1人1個はモバイルバッテリーを持ち歩いている場合が多いですし、長時間使うことも容量次第で可能です。
※DC5V/2A出力以上のバッテリーと接続のこと
Push-in方式の簡単接続!
センサーチェッカーへはボタンを押しながら線を差し込むだけで接続が出来る「Push-in方式」を採用しています。
その為、端子ネジをドライバーで緩めて締め込んで・・・といった手間が省けます。
工具を使わないで接続が出来るのは使いやすくていいですね。
センサーへしっかりDC24Vを出力!
個人的に購入の決め手となった部分がこのセンサーへの出力スペックです。
SA1P-UC24Vは接続したセンサーへ「DC24V±10% 200mA以下」で出力が出来ます。
他メーカーのセンサーチェッカーはこの出力部分がDC18V(9V乾電池電池2個分)と少し弱かったのですが、IDECのセンサーチェッカーは直流安定化電源さながらの出力が可能となっています。
僕がチェックしたかったセンサーの入力範囲がDC19.2〜28.8Vだったので、SA1P-UC24Vであれば問題なく確認が出来ます。
センサーチェッカーの確認
それでは開封して中身を確認していきます。
開封
これがSA1P-UC24Vの箱になります。何の装飾もない真っ白な箱に入っています。
中にはセンサーチェッカー本体・USBケーブル(USB A to USB Type-C)・ストラップ・固定ベルト(モバイルバッテリーと本体固定用)が入っていました。
固定ベルト | 本体とモバイルバッテリーを巻いて一体化させるために使用する。 長さ300㎜×幅20㎜×厚さ1㎜ |
USBケーブル | 本体とモバイルバッテリーを接続する為に使用する。 ・本体側:USB Type-C ・電源側:USB A |
本体の外観
本体の正面にスイッチ類や端子類が集約されています。
左上に本体の「ON/OFF」スイッチ、その下の「S1 OFF S2 BUZZER」はブザーの切替スイッチです。
「S1 OFF S2 BUZZER」スイッチは、S1端子に繋いだセンサーのON/OFFもしくはS2端子に繋いだセンサーのON/OFFのどちらでブザー音を鳴らすかを切り替えることが出来ます。ブザー音を鳴らしたくない場合は「OFF」にすることも可能です。
その横には2カ所センサーを接続するPush-in端子が備わっています。LEDがそれぞれにあるので、センサーのON/OFFが視覚的にも分かるようになっています。
向かって右側面に本体への電源供給用USB Type-C端子があります。
本体の背面には簡易な目盛りがついています。センサーの検出距離を測るためとのことです。
センサーチェッカーを試してみる
それでは実際にセンサーを接続して使ってみます。
電源の接続
付属のUSBケーブルを使ってモバイルバッテリーと本体を接続します。今回使ったモバイルバッテリーは使い古しのパナソニック製「QE-QL104」。定格出力がDC5V 1Aと求められるスペック(DC5V 2A)には届かない製品ですが、一応使うことはできました、このへんは自己責任で。皆さんが使われるときはDC5V 2A出力のものを使うようにしましょう。
ちなみに、市販のUSB Type-C to Type-Cケーブルを使ってUSB Type-C端子のモバイルバッテリーを接続しても動作しました。
付属の固定ベルトを使用することで非常にコンパクトになります。
接続して使ってみる
それでは実際にセンサーを接続して使っていきます。
汎用の光電センサー
試しに拡散反射形のセンサーを接続してみました。接続したのはS1側の端子です。
以下のステップで接続します。
本センサーの場合、茶色:24V・青色:0V・黒色:出力(NPN)
センサーチェッカーの電源を入れてセンサーを反応させてみると
このようにS1の表示灯が赤く点灯します。ブザーの切替スイッチを「OFF」にしておくとブザーは鳴らずに表示灯の点灯・消灯だけの動きになります。
ブザーの切替スイッチをS1にしておくと、S1に繋いだセンサーが動作状態の時にブザーが鳴動します。ブザーの音量はまあまあの大きさです。室内で使うにはうるさいぐらいの音量ですが、うるさい現場で離れたところに置いておくと聞こえないかもしれません。
音量のボリューム調整は出来ません。
もちろんS2に接続しても問題なく使用ができました。
セーフティーセンサー(PNP接続)
今度はヨーロッパ製のセーフティーセンサーも接続してテストしてみました。
接続したのはSICK製セーフティーセンサーL41シリーズです。
引用先:SICK(セーフティシングルビーム光電センサ L41)
このセンサーは透過型(投光・受光の組み合わせ)セーフティーセンサーで信号出力はPNP接続になります。
S1端子に受光側・S2端子に投光側をそれぞれ接続しテストしたところ、PNP接続のセンサーについても問題なく動作確認ができました。
レーザー距離計
ついでに同じSICK製レーザー距離計(DL100シリーズ)の電源用として使えるか試してみました。
レーザー距離計に接続して電源を入れてみたところ、問題なくレーザー照射とディスプレイ表示が正常にされていることを確認できました。
レーザー距離計の「MF2」の信号線をセンサーチェッカーの「NPN」端子に接続することで、レーザーの光が反射板から外れたらブザーが鳴るようにもできます。
これならどのような現場でもセンサーチェックがはかどりそうですね。
実際に現場で使ってみた感想
SA1P-UC24Vを実際の現場でフルに使ってみました。今回の現場で行った内容は以下の通りです。
- 汎用光電センサーの設置及び光軸確認・調整
- セーフティーセンサーの設置及び光軸確認・調整
- レーザー距離計の設置及び光軸確認・調整
電源を引き回さなくて良いのが楽
センサーの設置位置があちこちに点在していたのですが、センサーチェッカーをモバイルバッテリーと合体させて持ち歩けるのでセンサーまでの移動がとても楽ちんでした。これまではパワーサプライ(直流安定化電源)と延長コードを持ち歩いて100Vコンセントを探していたので、それをしなくていいのがとても良かったです。
光軸が合っているかどうかが耳で分かる
センサーの投光器と受光器が5mぐらい離れていたので、配線の関係上センサーチェッカーを離れた位置に置いた状態で、投光器側で光軸調整を行いました。
投光器側で調整を行っていたので受光器の表示灯が見えない状態でした。ですが、このセンサーチェッカーは表示灯だけでなくブザー音を鳴らすことができるので、離れた位置にセンサーチェッカーを置いておいても、耳で音を聞きながら光軸調整を行うことが出来ました。
レーザー距離計の調整も行えた
光電センサーだけでなく、レーザー距離計の光軸調整においても便利に使うことができました。光軸調整後にレーザーの光が反射板から外れないか設備を動かして確認を行ったのですが、離れた位置で運転していてもブザー音の有無を耳で確認することで、1人で確認作業が出来ました。
作業者を立たせて目で確認させると設備に挟まれる危険がありますので、安全上の観点からもセンサーチェッカーは良いツールだと実感しました。
バッテリー容量2,420mAhで1日は何とかもつ
今回使ったバッテリーはパナソニック製の薄形バッテリー「QE-QL104」を使用しました。
使い古しのバッテリーなので実質容量はもっと少ないかと思いますが、今回の工事では何とか1日間バッテリーはもってくれました。
1日でチェックしたセンサーは透過型8組とレーザー距離計2個です。ブザーは結構鳴らしっぱなしにしていました。
使い方によってバッテリー持ちはずいぶん変わるかと思いますが、おおむね2,500mAhぐらいあれば1日間は使えるのではないでしょうか。
1日でチェックするセンサーの数や時間が多い場合等は、5,000mAh以上のモバイルバッテリーを使用した方が良いかもしれません。ただ、あまり大きなバッテリーにすると持ち歩きが大変なので、中容量のもので1個使用・1個充電みたいな感じでローテーションで使う方が良いと思います。
ちょっと気になった点
とても便利だったSA1P-UC24Vですが、ちょっとだけ気になった点もお伝えしておきます。
Push-in端子がちょっと使いにくい
工具不要のPush-in方式の端子台ですが、狭い間隔で並んでいるので特に手の大きい人には少し使いづらいのではないかと感じました。
実際現場で何回もセンサーの付け外しを行いましたが、若干手間取る場面もあり、あまり使いやすいとは思えませんでした。
なので、現場ではセンサーチェッカーの端子台に短い線を接続しておいて、その線の先端にWAGO製コネクタを付けて使いました。
引用先:WAGO(インラインスプライシングコネクタ 221-2411)
現場で使う時は上のような簡単に付け外しが出来るコネクタを使って作業を行う方が効率的です。
Push-in端子自体もそこまで頑丈な造りではないので、なるべく線の付け外し回数が少なくなるように工夫しましょう。
バッテリーが傷だらけになる
これは現場で使う関係上仕方のないことですね。
特にバッテリーとチェッカー本体を固定ベルトで巻いていると、どうしてもバッテリーをセンサーチェッカーの下に置くことになるので、傷が付いたり汚れたりします。
なので、当たり前ですがご自分のお気に入りのバッテリーは使わないようにしましょう。
安いモバイルバッテリーで充分です。
センサーチェッカーは超絶便利!
以上、IDEC製センサーチェッカー「SA1P-UC24V」についてのご紹介でした。
センサーを増設するときは近くに電源がまだきていないことが多いので、確認に行くたびに自分で電源をもっていく必要があってとても不便を感じていました。
センサーチェックが毎回面倒くさいと感じていた僕にとって、今回導入したセンサーチェッカーは本当に便利で買って良かったと使ってみて実感しています。
「センサーチェックが面倒!」・「もっと便利な道具はないの?」と日頃感じている方がいらっしゃったら、是非SA1P-UC24Vをご検討下さい。必ずあなたの仕事の役に立ちますよ!