【これで漏れない!】シールテープの正しい巻き方、ポイントを解説
水道配管やエアー配管・油圧配管など、流体が流れる配管を接続するときに使うシールテープ。水道配管だけでなく、工場設備の空圧機器や油圧機器など、シールテープは様々なところで使われています。
一般的にシールテープは配管先端のネジの部分に巻いて使います。ただし、正しい方法で巻かないと接続部から水や空気が漏れてしまうことがあります。
水道配管で水漏れが発生すると周囲が大変なことになってしまいますし、流体を流した後で漏れが分かったとしても直ぐに手直しができないケースも多いです。
なので、シールテープを使った作業をする際に正しい巻き方を知っていることは、漏れなどの不具合を防ぐ上でとても重要なんです。
正しいシールテープの巻き方はどうすればいいのか?気をつけるポイントは何なのか?この記事では、これらの疑問について詳しく解説していきます。
シールテープを巻くのってあんまり自信ないんだよな〜
ポイントさえ押さえて巻けば大丈夫ですよ!
シールテープとは?
シールテープとは配管同士もしくは配管と機器を接続するときに、ネジ部分に巻いて締め込むことで隙間から液体や空気が漏れないようにするためのシール材です。
配管のネジに巻き付けやすいようテープ状になっているのでシールテープと呼ばれるわけですね。
引用先:渡辺電機工業株式会社(ねじの規格と寸法について)
ネジとネジは密着しているように見えていても、わずかに隙間が空いてしまっています。何も処置しないとこの隙間から液体や空気が漏れ出してくるため、シールテープによって隙間を埋めるわけですね。
シールテープはポリテトラフルオロエチレンというフッ素樹脂で出来ていて、耐熱性・耐薬品性に優れています。
シールテープの正しい巻き方
それでは正しいシールテープの巻き方について順を追って解説していきます。
シールテープを巻くときは、漏れを防ぐためのポイントを押さえることが重要です。
ネジ部分を洗浄する
シールテープを巻く前にまずはネジ部分をパーツクリーナー等で洗浄します。
ネジ部分にゴミ等が付着していると、ねじ込んだときに隙間が空いてしまって漏れの原因になる可能性があります。
ねじ込む先も含めて出来る限り綺麗に清掃しましょう。
シールテープを準備する
次にシールテープを用意します。
シールテープを道工具等と一緒に保管している場合、シールテープ表面が汚れてしまっていることがよくあります。
シールテープが汚れていると付着したゴミと一緒に巻き付けてしまうことになりますので、外側の汚れたテープを引き出して綺麗な面を出すようにします。
シールテープが汚れてしまうと都度外側1周分が無駄になってしまうので、箱等に入れて道工具類とは別で保管するようにしましょう。
配管の締め付け方向を確認する
シールテープを巻き始める前に配管を締め付ける方向を確認します。
一般的には配管の締め付け方向は時計回り(右回り)ですが、まれに逆ネジ(締め付け方向が反時計回りもしくは左回り)の場合があるので、事前に確認しておくことが重要です。
ネジ山にテープを巻く
それではシールテープを巻き付けていくわけですが、次の点に注意して巻いていきましょう。
ネジの先端から1〜2山あける
シールテープを先端からはみ出した状態で巻いてしまうと、シールテープの切れ端が配管内に入ってしまって思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。
なので、シールテープは必ず先端から1〜2山あけて巻くようにしてください。
時計回りに巻いていく
巻く位置が決まったらシールテープを時計回りに巻いていきます。
シールテープを巻く方向とネジを締める方向を同じにすることで、配管を締め付けたときにシールテープがネジに巻き付く方向になるので、テープが剥がれるのを防止できます。
もし巻く方向が分かりにくければ、先端を自分の方に向けて平仮名の「の」の字を書くように巻くと覚えれば、直感的で分かりやすいと思います。
先端から巻き始める
シールテープは先端から根元に向かって巻いていきます。
先端から巻き始めたら1〜2回同じところを巻き、根元に向かってテープ同士をラップさせながら順々に巻いていきましょう。
少し引っ張りながら巻く
シールテープがユルユルだと、締め込んだときにネジの隙間にシールテープが入り込みにくくなります。適度な力で少し引っ張りながらネジに食い込ませるように巻いてください。
ネジ山にテープがしっかりと密着していることが漏れを防ぐポイントです。
4〜5回ほど巻く
シールテープは巻き数が少ないと漏れの原因になりますし、巻き数が多いとネジ山が埋まってねじ込むことができなくなります。
何事も適量が大切です。
シールテープをネジ山に馴染ませる
シールテープを巻き終わったら、指でネジ山にテープを馴染ませます。
指で軽く押さえることでシールテープとネジ山の密着性が高まり、より効果的な密封が可能となります。
力を入れすぎるとテープが切れてネジ山が露出したり、ネジ山の角で手を切ったりすることもありますので注意してください。
配管を接続する
シールテープが正しく巻けたらテープを傷つけないように慎重に取り付けていきましょう。
ここで気をつけて頂きたいのが、ねじ込んでいる途中で逆回転させないようにするということです。
一度でも逆回転させてしまうと、ネジ山に埋まったシールテープに隙間が空き、そこから漏れが発生してしまうことがあります。
逆回転させてしまった場合は、一旦配管を取り外して再度シールテープを巻き直してください。
シールテープは何を選べばいい?
シールテープは様々なメーカーから販売されていますが、基本的な性能は各社あまり変わらないのが実情です。
ただ、メーカーによって価格や使い勝手が微妙に違うので、もしどれを選べば良いのか分からない場合は、次の製品から選んでいただければと思います。
カクダイ:シールテープ
引用先:株式会社カクダイ(シールテープ)
カクダイのシールテープはホームセンターでも簡単に手に入るとてもメジャーなシールテープで、主に水回り用として使われています。
価格も安いシールテープですが、スペック上は水だけでなく蒸気や化学薬品、油やガスの配管でも使うことができます。
日東エルマテリアル:ニトフロンパイプシール
引用先:日東エルマテリアル株式会社(ニトフロン パイプシール)
日東のニトフロン パイプシールは柔らかく引っ張っても切れにくいのが特徴で、多くの方が愛用しているシールテープです。
使用温度も-100℃〜260℃をカバーしており、幅広い用途で使うことが可能です。
スリーボンド:シールテープ
引用先:スリーボンド(シールテープ)
スリーボンドのシールテープは巻きやすさ・伸び・漏れにくさ・馴染みの良さなど、どれをとっても優秀なシールテープです。
その為、工場設備など施工後の漏れが許されないような厳しい現場において、愛用されている方が多い製品です。
他のシールテープと比べて価格が少し高いですが、価格に見合った価値のある製品です。
正しく巻いて漏れを防止しよう
以上、シールテープの正しい巻き方についての解説でした。
接続した配管からの漏れなどの不具合を発生させないためにも、シールテープを正しく巻くことは大変重要です。
接続した配管から流体が漏れると周囲に様々な影響を与えるほか、漏れが分かったとしても後で補修を行うことは大変な労力を伴います。
是非、本記事でお伝えした内容を意識しながら正しい巻き方でシールテープを取り扱ってください。