【手軽にLED化】白熱電球の表示灯をLED化するメリット・デメリットについて

nabechang007

古い機械の制御盤や操作盤を操作していると、たまに発生するのが表示灯の球切れ。

昔の制御盤の表示灯は豆電球(白熱電球)を使用しているものが一般的で、しばらく使っているとちょくちょく球切れが起きて交換を余儀なくされます。

最近の制御盤や操作盤の表示灯はLEDが一般的であるため、写真のような豆電球を常にストックしている職場も少なくなってきました。

出来れば昔の制御盤や操作盤も全て表示灯をLEDのものにしたいところですが、LEDタイプの表示灯に交換するにはそれなりの労力が掛かるほか、昔のものゆえに同じ形の機種が手に入らないケースもあります。

そんなときに便利なのが、「豆電球の形をしたLED球」です。

このLED球と豆電球とを単純に入れ替えることで、簡単に昔の表示灯をLED化することができます。

この記事では、最近僕が表示灯をLED化するのに使っているLED球についてと、白熱電球からLED球にするメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

ひでくん
ひでくん

LEDってメリットばっかりじゃないの?

なべ
なべ

メリットだけでなくデメリットもあります、最初にしっかりと検討してから使ってくださいね。

豆電球形のLED球について

最近僕が好んでよく使っているLED球がこちらのIDEC製LED球です。

タイプは全部で3種類あります。

引用先:IDEC LSRD形(LSRD-6PN10)
形 番口 金使用電圧昭光色
LSRD-6BA9S/13AC/DC6V
LSRD-1AC/DC12V
LSRD-2AC/DC24V
<LSRD形LED球仕様>
引用先:IDEC LSTDB形(LED球 LSTDB-2GN)
形 番口 金使用電圧昭光色
LSTDB-2ANBA9S/13AC/DC24Vアンバー
LSTDB-2GN
<LSTDB形LED球仕様>
引用先;IDEC LETDB形(LETDB-2PWN)
形 番口 金使用電圧昭光色
LETDB-2ANE12/15AC/DC24Vアンバー
LETDB-2GN
LETDB-2SN
LETDB-2PWN
<LETDB形LED球仕様>

いずれもIDEC製の表示灯用LED球です。既存のLED表示灯の交換用部品なので、本来推奨される使い方ではないかも知れませんが、現状問題なく使えています。

この手の部品はインターネットで探すと様々なメーカーから出ていますが、やはりIDECは表示灯関係では大手なので、信頼できるメーカーかなと思います。

LED球を購入する前に確認すべき事項

LED球を購入する前に、表示灯の銘板を見たり豆電球を取り外すなどして、以下の事項を確認してください。

定格電圧がいくらか?

豆電球には表示灯のトランス仕様に応じて何種類かの定格電圧があります。

一般的には「6.3V」・「12V」・「24V」が多く、他にも「18V」や「30V」などもあります。

既存の表示灯が極端に暗かったり明るかったりしている場合は、トランスの定格電圧と豆電球の定格電圧が一致していない場合があるので、必ずトランスの定格電圧がいくつかを銘板を見て確認してください。

豆電球の口金は?

既存の豆電球を取り外して、電球の取付方法が引っ掛け式(スワン形)か、ねじ込み式(エジソン形)かを確認します。

引っ掛け式の場合は口金がBA9/13のLSRD形かLSTDB形を選択し、ねじ込み式の場合は口金がE12/15のLETDB形を選択します。

ちなみに、IDEC製LED球の口金の仕様は以下の通りです。

  1. BA9/13:突起を除く先端部分の径がφ9㎜・金属部分の高さが13㎜
  2. E12/15:ねじ込み部分の径がφ12㎜・金属部分の高さが15㎜

φ22㎜〜φ30㎜ぐらいの表示灯であれば上記2種類の口金のどちらかだと思いますが、

万が一合わない場合は、他メーカーで合うものを探す必要があります。

表示灯の昭光色は?

既存の表示灯の昭光色が何色かを確認し、それに合うLED球を選択します。

表示灯の色が青色・黄色・白色の場合は「昭光色:白」を、表示灯の色が乳頭色・橙色・赤色の場合は「昭光色:アンバー」を使うと、元の表示灯の色が綺麗に再現されます。

LED球への交換方法

豆電球からLED球への交換は特に難しくはありません。

各LED電球は普通の豆電球と取付部分が同じ形をしているので、同じ口金のものを選べば簡単に取り付けることができます。

LED球の全長についても同等の豆電球よりも同じか短いため、付けたときにLED球が当たってカバーやレンズが取り付けられないといったこともありません。

交換用のLED球さえ正しく選定できていれば非常にお手軽にLED化することができます。

LED球に交換するときは、念のため制御盤や操作盤の電源を切ってから行いましょう。

ひでくん
ひでくん

手軽にLED化できるのはとても助かるね

表示灯をLED化するメリット

表示灯を豆電球からLEDにすると次のようなメリットがあります。

メンテナンス工数が劇的に下がる

家庭の照明を蛍光灯などからLEDに変える場合と同様、表示灯を豆電球からLED球に変えると「球切れ」という概念が無くなります。

一般的に豆電球などの白熱電球は寿命が1,000時間〜2,000時間と言われていますが、LED球の場合は約40,000時間と言われています、約20倍ですね。

24時間表示灯が点きっぱなしの設備だと、豆電球の場合は単純計算で2〜3ヶ月しかもたないことになりますが、LED球の場合は4〜5年もつ計算になります。

ただ、実際は4〜5年でLED球が点かなくなるということはほとんど無く、僕の体感だと10年以上は余裕でもっていると思います。

LED球の故障で点かなく場合もありますが、それも非常にまれなケースです。LED球に変えることで、表示灯用途であれば半永久的と言っても過言ではありません。

なので、交換等で発生するメンテナンス工数を劇的に下げることができます。

球切れによる表示不良を未然に防げる

表示灯には「設備の状態を周囲に知らせる」という役割があります。その役割を遂行するために点灯したり点滅したりするわけですが、球切れが起きてしまうとこの役割を果たすことが出来なくなります。

特に異常表示や危険表示など、安全性に関わるような表示が正常にできないと周囲の人を危険にさらすことにもなりかねません。

異常表示などの重要な表示灯をLED化することで、設備の安全性や信頼性を向上させることに繋がります。

点滅用途でも長く使える

LED球は電圧を印加したときの発光スピードが速いほか、点滅させるために点灯・消灯を繰り返したとしても寿命にあまり影響を及ぼしません。

そのため、点滅させて周囲へ注意を呼びかけるような用途(異常・アラームなど)にLED球は最適です。

一方、豆電球の場合は点灯・消灯を繰り返すと寿命が短くなるため、向いていないとは言わないまでも、交換作業が頻繁に発生するデメリットがありました。

LED球に変えることで、点滅しないといったリスクを限りなくゼロに抑えつつ、長期間使うことが可能となります。

振動する設備でも長く使える

LED球は豆電球と比べて振動には比較的強いです。

豆電球はフィラメントという熱で発光する部分が振動に弱いため、クレーンなどの走行時に振動する装置で使うと寿命が短いというデメリットがありました。

LED球の場合は振動のある装置で使っても故障しにくいため、頻繁に豆電球を交換しているような表示灯をLED球に変えるだけで、劇的にメンテナンス工数を下げることができます。

押しボタンが熱くならない

長く点灯している豆電球の昭光式押しボタンスイッチを触ったとき、電球からの熱でボタン表面がものすごく熱くなっているときがあります。

予備が無くて18Vのところに6.3Vの豆電球が入っているときなどは、素手で触れないぐらい熱くなっていたりします。

LED球は多少熱は出ますが、触れないぐらいボタンを熱くするようなことはないので、安心してボタンを操作できるというメリットがあります。

なべ
なべ

LED球は豆電球のデメリットの大部分を解消してくれます

表示灯をLED化するデメリット

表示灯をLED化するに当たって少なからずデメリットも存在します。

初期費用が掛かる

表示灯本体を交換するよりは価格が安いですが、それでもLED球1個あたり¥2,000円ほどします。

豆電球は1個あたり¥100〜¥200円なので、それと比べるとかなり割高なのは否めません。

そのため、交換する数が多いと数万円単位のコストが初期投資として掛かってしまいます。

1度交換してしまえば10年以上はもちますので、トータルのランニングコストを考えると結果的に安くはなりますが、最初にお金が掛かるのがデメリットの1つです。

見る角度によって明るさが変化する場合がある

豆電球のような白熱電球は、360°どの方向から見ても同じように光を出してくれます。

一方で、LEDの場合は光の指向性が強く拡散しにくいという特性があります。

つまり、LED球単体で光らせた場合は正面から見るとすごく明るく見える反面、真横から見たらあまり光っているように見えないと感じる場合があるということです。

表示灯のレンズは光が拡散しやすいような構造になっているものが多いので、大体の場合で違和感なく使えると思いますが、表示灯の種類によっては違和感を感じる光り方に変わってしまう可能性がありますので、導入前に確認しておきましょう。

なべ
なべ

LED球を導入するときは1度に交換しようとするのではなく、1〜2個だけ買って試してみてから判断するようにしましょう

ひでくん
ひでくん

光の見え方や色の具合など、事前に確認しておくと安心だね

まとめ

以上、表示灯を豆電球からLED球に変えるメリット・デメリットを中心にお伝えしてきました。

表示灯のLED化はイニシャルコストが掛かってしまうものの、1度交換して光り方に違和感さえ感じなければ、あとはメリットしかありません。

交換についても豆電球と同じような感覚でできるところも嬉しいところです。

表示灯の豆電球が頻繁に切れて困っているということ悩みをお持ちでしたら、是非LED球への交換を検討してみてください。

ABOUT ME
なべ
なべ
エンジニア
設備保全一筋20年の保全マン。
専門は電気であるが、機械関係の仕事にも携わっている。
現在は営業・設計・製作・工事までを1人でこなすハードな毎日を送っている。
記事URLをコピーしました