【初心者向け】テスターの使い方について基本操作から測定方法まで徹底解説
電気の仕事をされている方で必須のアイテム、それが「テスター」です。
テスターを使いこなすことで電気に関する様々な作業が格段に楽になる反面、使いこなすことが意外に難しい機器でもあります。
特に初心者の方にとっては、テスターってそもそも何を測定できるのか、どうやって使うのか、という疑問が浮かぶことがありますよね。
この記事では、そのような疑問に答えるべくテスターの基本的な使い方や様々な状況での使用方法までを詳細に解説します。
テスターは測定作業だけでなく、異常診断やトラブル対応など様々な場面で役に立ちます。是非使いこなせるようになりましょう!
テスターで何ができるの?
まずはテスターで何ができるのかを押さえておきましょう。
電圧が測定できる
テスターを使うことで交流電圧や直流電圧を測定することができます。
・AC〜ボルトで表される電圧をいう
・例:家庭用コンセント、動力電源など
・DC〜ボルトで表される電圧をいう
・例:乾電池、制御電源など
電圧の種類に合わせて設定を切り替えて測定するテスターが一般的ですが、自動的に電圧の種類を検出して数値を表示してくれるテスターもあります。
電圧の測定は電源を入れた状態(電気がきている状態)で行います。
抵抗が測定できる
抵抗とは、電流が電気回路を流れる際にどれだけ流れにくくなるかを数値で示したものを言い、単位は「Ω(オーム)」を使って表します。
抵抗の測定は電源を切った状態(電気がきていない状態)で行います。
導通状態が確認できる
導通状態とは、電気回路において電流を途切れることなく流せる状態のことを言います。つまり、配線が切れていない(繋がっている)・接点が閉じている・スイッチが入っている、といった状態のことを指します。
この機能を上手に活用することで、断線などの不具合箇所を見つけるのに非常に役に立ちます。
導通状態の確認についても、電源を切った状態(電気がきていない状態)で行います。
ここまでの機能は全てのテスターで出来るよ
静電容量を測定できる
静電容量とは電気をどれだけ蓄えることができるかを示したものを言います。
電子部品でよく使われる素子の中に「コンデンサ」と呼ばれる部品があります。コンデンサは電気を蓄えることができる部品で、このコンデンサがどれぐらい電気を蓄えることができるかをテスターで測定することができます。
電子工作をする方にとってはよく使う機能になりますが、設備保全の仕事をしている方にとってはあまり使う機会のない機能です。
ダイオードテストができる
ダイオードとは電気回路に使われる素子の1つで、電流を一方向にしか流さない(プラス→マイナスの方向)という特性を持っています。
このダイオードがちゃんと機能しているか(電流が一方向にしか流れないようになっているか)をテスターで確認することができます。
ただし、ダイオードが回路に繋がっていると正しくテストができないので、回路から取り外して単体で行う必要があります。
電子工作をされる方はよく使う機能かもしれません。
小さな電流を測定できる
テスターの中には回路に流れる電流を測定できるものもあります。
ただし、あまり大きな電流を測定することができないため、一般的に電流を測定するときはテスターではなくクランプメーターを使います。
上等なテスターになってくると、上記の機能に加えてクランププローブを接続できるなどの拡張性も向上します。
テスターの基本構造について
テスターは測定した数値を表示する部分、ファンクションスイッチ、テストリードなどで構成されています。
表示部
テスターの表示部は測定した電圧や抵抗などの数値が表示され、この数値を読み取ることで測定値を知ることができます。
表示部はデジタル数値で表示される液晶ディスプレイタイプと、針が振れることで数値を表現するアナログタイプの2種類があります。
どちらの表示方法にもメリット・デメリットがあり、人によって好みが分かれる場合がありますが、初心者の方は数値を読み取り易いデジタルタイプの方が良いでしょう。
初心者の方はデジタルテスターの方が使いやすいよ。
アナログテスターはどちらかと言うと蔵人向きですね
ファンクションスイッチ
ファンクションスイッチはテスターの中央に配置されている切替スイッチです。
このスイッチを測定したい対象(電圧・抵抗など)に正しくセットすることで、それに対応した対象の数値を測定できるようになります。
また、ファンクションスイッチの上には複数のボタンを備えている機種もあり、このボタンを押すことで測定値をホールドしたり、レンジを切り替えたりといった機能を使うこともできます。
デジタル式テスターのファンクションスイッチは、直流電圧なら「DCV」、交流電圧なら「ACV」、抵抗なら「Ω」といった具合に、測定する対象にさえ設定すれば測定ができるようになります。
一方、アナログ式テスターのファンクションスイッチは、測定したい対象(電圧・抵抗など)に加えて適切な測定レンジを手動で合わせてやる必要があります。
これは、アナログテスターの針が動く範囲が決まっているためで、測定したときに針が振り切らないように適切な測定レンジに設定することが求められます。
この点から考えても、測定レンジ気にせず使うことができるデジタルテスターの方が使い易いです。
テストリード
テストリードとは、測定する対象に触れるための「プローブ」と「リード線」が一体になったものを言います。
テストリードは本体に直接接続されているタイプと、コネクタにテストリードを接続して使用するタイプの2種類があり、前者はカードテスターなど携帯性に優れている機種に多く、後者は本体が大きく堅牢造りの機種に多く採用されています。
テストリードは赤色と黒色に色分けされていて、通常は赤色を「プラス」または「正」、黒色を「マイナス」または「負」として使用します。
プローブの先端は金属製になっており、この部分を測定対象に直接接触させて測定を行います。プローブの先端はキャップ式になっているものがあり、状況に応じて使い分けられるようになっています。
リード線は測定作業がし易いようにとても柔軟なケーブルが使用されていて、絶縁素材でしっかりと覆われているので安心して使うことができます。
コネクタはL字の形をしたものが多く、コネクタ部に掛かる負担が最小限になるよう設計されています。
テストリードを接続して使用するタイプのテスターは、本体の「COM」端子に黒色のテストリード、もう一方の端子に赤色のテストリードを接続して使用します。
測定の仕方
それではテスターを使って実際に測定作業を行ってみましょう。
測定作業は仕事でもよく使われる「電圧測定」・「導通チェック」「抵抗測定」に絞って解説していきます。
測定前の確認
まずは測定を行う前に以下のことを確認してください。
使用前点検はとても重要です!!
テスターの電池残量は十分か?
測定作業を行う前にテスターの電池残量が十分か確認しましょう。電池残量はディスプレイに表示される機種であればすぐに確認ができます。
表示されない機種の場合は、ディスプレイ表示が薄くないか、ファンクションスイッチを切り替えた時に表示が消えかかったりしないか等で判断してください。
電池残量が少ない場合は測定作業中にテスターが使えなくなってしまう可能性がありますので、必ず新品の電池と交換しておくようにしましょう。
テスターに破損や損傷箇所がないか?
テスターに破損や損傷箇所がある状態で測定作業を行ってしまうと、思わぬ事故に見舞われる可能性があります。テスター本体やテストリードを点検して異常がないかを必ず確認するようにしてください。
特にテストリードは、長く使っていると断線していたり被服が破れて中の銅線が見えていたりすることがあります。
僕が使っていたテスターも、コネクタの根元の部分が切れて中の銅線が見えている状態になっていたことがあります。
電圧を測定している最中に、万が一指が触れてしまったら感電してしまう危険性があります。このような状態を発見したら別のテスターを使用するか、新しいテストリードに交換してから使用するようにしてください。
特にテストリードは損傷しやすい部品なので、使う前にしっかりと点検しよう!!
測定箇所に対してテスターは適正か?
テスターには、カードタイプのものやゴムで覆われた堅牢なタイプのものなど、実に様々な機種が存在します。ただし、これらの機種全てがあらゆる箇所の測定を行えるわけではありません。
テスターには「測定カテゴリ」という安全基準があり、この基準に従って測定できる箇所が決められています。
これは、測定時の安全性を確保するものであり、測定する箇所に合った測定カテゴリのテスターを使用しないと大きな事故に発展する恐れがあります。
測定する箇所がどのカテゴリに属するかを確認し、適正なテスターを使用するようにしましょう。
工場への引き込み口や分電盤に近づくほど測定カテゴリが高くなります。
交流電圧の測定
交流電圧の測定はテスターの最も基本的な機能の一つです。
まずはテスターのファンクションスイッチを「交流電圧レンジ」に合わせます。
交流電圧レンジは「ACV」という表記であったり、写真のように「〜V」という表記の場合もあります。
正しくスイッチを切り替えることができたらディスプレイに表示がされます。
交流を表す「〜」の記号が表示されました。
この状態になったら測定対象にテストリードを当てます。
今回は家庭用コンセントに接続した延長コードの電圧を測定しました。
交流電圧の場合は極性(+・−)がありませんので、テストリードの赤色と黒色はどちらに当てても問題ありません。
ディスプレイ表示から、このコンセントの電圧はAC102.9Vということが分かりました。
直流電圧の測定
続いて直流電圧を測定してみましょう。
直流電圧を測定するには、テスターのファンクションスイッチを「直流電圧レンジ」に合わせます。
直流電圧レンジは「DCV」という表記や、写真のような表記の場合があります。
ファンクションスイッチを正しく切り替えるとディスプレイに表示がされます。
直流電圧を示す横線のマークが表示されました。
この状態になったら測定対象にテストリードを当てます。
測定対象は直流電圧の代表格である乾電池です。
直流電圧を測定する場合は、赤色のテストリードをプラス(+)側、黒色のテストリードをマイナス(−)側に当てて電圧を測定します。
ディスプレイ表示を見てみると、この乾電池の電圧はDC0.862Vであることが分かりました。
ちなみに、赤色のテストリードと黒色のテストリードを逆に当てると次のようになります。
ディスプレイには「−0.862V」と表示されていますね。このようにテストリードをプラスマイナス逆に当てると、表示される電圧はマイナス表記になります。
逆に当てたからといって壊れることはありませんので、安心して測定作業を行いましょう。
交/直電圧自動判別機能で電圧を測定
テスターには測定している電圧が直流か交流かを自動判別して表示してくれる機能を持っている機種があります。僕が使っているHIOKIのDT4255はその機能がありますので、それを使用して電圧を測定してみます。
まずは「交/直電圧自動判別モードレンジ」にファンクションスイッチを切り替えます。
ディスプレイに表示がされたらテストリードを測定対象にあてます。
家庭用コンセントにテストリードを当てると、自動的にテスターが判別して交流電圧を表示してくれます。「〜」の表示が出ていますので、交流のAC102.7Vということになりますね。
次に乾電池にテストリードを当ててみます。今度は自動的にテスターが判別して横線マークを表示してくれています。
測定値は直流のDC0.8Vですね。
ちなみに、乾電池のプラスマイナスとは逆にテストリードを当てると、ちゃんと自動判別してマイナスで表示されます。測定値は直流のー0.8Vです。
自動判別機能は測定対象の電圧が交流か直流か分からない場合に便利だね!
導通チェックを行う
導通チェックとは、電線や回路が繋がっているかを確認する作業です。この作業においてもテスターは非常に役に立ちます。
導通チェックを行う前に、まずは測定しようとしている回路や電線に電気がきていないことを確認するようにしてください。
電源が入っている状態で導通チェックを行おうとすると、正常な反応をしないばかりかショートや感電の危険性があります。必ず電源を切ってから行ってください。
それでは作業を行っていきましょう。
ますは、テスターの「導通チェックレンジ」にファンクションスイッチを合わせます。
HIOKIのテスターは上の写真の位置です。矢印が向かい合うようなシンボルマークになっています。
導通チェックレンジに合わせるとディスプレイにも同じシンボルマークの表示が出ます。
今回は延長コードを使って、コンセントのプラグ側と差し込み口側の導通をチェックしていきます。
上の写真は、延長コードのプラグ側と差し込み口側にそれぞれテストリードを当てている状態です。導通チェック時においてはテストリードの極性を気にしなくても問題ありません。
この時にテスターのディスプレイ表示を見ると、最初の表示と全く変わっていません。つまり、黒色のテストリード側と赤色のテストリード側は繋がっていない(導通していない)ということになります。
次に赤色のテストリードをもう一方のプラグに当ててみます。
すると、テスターから「ピー」というブザー音が鳴ってディスプレイ上のLEDが点灯しました。つまり、それぞれのテストリードを当てたところが線で繋がっているということですね。
また、ついでに抵抗値も同時に表示してくれています。延長コードやテストリードのわずかな抵抗値が表示されていますが、導通チェック上は無視できる数値です。
ブザー音で導通しているか否かを知らせてくれるので、わざわざディスプレイを見なくても素早く確認することができます。
導通チェックもよく使う機能だよ!
抵抗値の測定
抵抗値の測定とは、回路が持っている電気抵抗の数値を測定できる機能です。
抵抗値の測定を行う場合も、導通チェックの時と同様回路に電気がきていない状態が大前提です。必ず電源を切ってから測定を行うようにしてください。
準備ができたら測定を開始していきましょう。
まずはファンクションスイッチを「抵抗レンジ」に合わせます。
抵抗レンジは単位の「Ω」の位置になります。
抵抗レンジに正常に合わせると、写真のように「Ω」の単位がディスプレイに表示されます。
次にテストリード同士を接触させて、その時に表示される数値をディスプレイで確認します。写真では「0.1Ω」と表示されていますね。
通常はテストリード同士を接触させたときに「0Ω」が表示されなければいけないのですが、テストリード自体の抵抗が加算されてしまい、「0.1Ω」と表示されてしまっています。
大まかな抵抗値を知りたい場合はこのままでも差し支えないですが、低い抵抗値を正確に測定したい場合はゼロリセット操作を行います。
HIOKIのDT4255の場合は「REL」のボタンを長押しするとゼロリセットすることができます。
表示が「0Ω」になりました。
テストリードを接続して使う場合のテスターは「0Ω」が表示されないことがあるため、この確認は必ず行うようにしましょう。
このゼロリセットは導通チェックレンジでも行うことができます。
ちなみに、アナログテスターの場合は電池の出力電圧が下がってくると抵抗値表示が変わる特性があるため、抵抗値測定前の0Ω確認及び調整は必須になります。
それでは実際に抵抗値を測定してみます。まずは家の扇風機の抵抗値です。
抵抗レンジに設定したテスターのテストリードを扇風機のコンセントプラグにそれぞれ当てます。抵抗値の測定においても、テストリードの極性を気にする必要はありません。
ディスプレイには「2.022MΩ」と表示されていますので、これが扇風機が持つ抵抗値になります。
次に、ヒーター付送風機の抵抗値を測定してみます。
このヒーター付送風機についても、扇風機と同様コンセントプラグにテストリードを当てて抵抗値を測定します。
このヒーター付送風機の抵抗値は「0.933MΩ」ということが分かりました。
このように、測定したい回路の両端にテストリードを当てることで、その間の抵抗値を測定することができます。
抵抗値測定はトラブルなどの原因調査でよく使います
その他テスターの使い方について
テスターは車やバイクのバッテリー電圧の測定など、様々な測定作業に応用することができます。使い方の例についてご紹介していきます。
車のバッテリー電圧測定
車のバッテリー電圧を測定する時は、直流電圧レンジに設定して測定を行います。
車のエンジンを停止した後、バッテリー端子のプラス(赤色)に赤色のテストリードを、マイナスに黒色のテストリードを当てます。
12.6V以上であればバッテリーは正常、12.4V以下の場合は充電が必要、11.8V以下はバッテリー交換を検討するべき、という具合に測定値から判断します。
測定値が安定しない場合は、接続部分に腐食や汚れがないか確認し、必要に応じて清掃を行うとよいでしょう。
車のバッテリーに限らず、単三電池などの電圧を測定することで劣化具合を判断することができます。
コンセントの電圧確認
コンセントなどの交流電圧が正常に出ているかなどを調べる時は、テスターを交流電圧レンジに切り替えて使用します。
特に、普段使っていないコンセントに機器を接続した際に動作しない場合、機器の故障かコンセントに電気がきていないかをテスターで測定して確認ができます。
他にも、スイッチを入れてもモーターが回転しない場合など、電圧の有無を測定することで原因を特定することが可能です。
このように、電圧の測定を上手に行うことで不具合の原因解明に役立ちます。
電圧測定だけでも様々なことに応用ができるね
検電による安全確認
制御盤内機器の取替やモーター配線の離線作業などの電気的な作業を行うとき、電気が回路にきていないことを確認することは安全上とても大事な手順です。
検電とは、配線に電気が無いことを確認するための作業を言います。
電源を切ったつもりでも、切る箇所を間違えていたり図面と現物で回路が異なっていたりと、様々な要因で不安全な状態が維持されたままになっている可能性があります。
テスターを電圧レンジに切り替えて回路の電圧の有無を測定することで、触ろうとしている回路に電圧が掛かっていないかを調べることが可能です。
具体的な手順は次の通りです。
・検電する対象の電圧が交流か直流かで切り替えるレンジを決めます。
STEP3で本来の電圧に近い数値が表示される場合、その回路はまだ通電しているため、触ると危険であると判断できます。
以上がテスターによる検電手順です。ポケットサイズの検電器の方が手軽に検電が出来ますが、テスターの方が様々な場面で応用がききます。
DT4255は検電機能も搭載しています
スイッチの接触不良確認
スイッチの接点が接触したときの抵抗値が増えてくると、接点が閉じても導通状態にならず、結果的に接触不良となることがあります。
テスターの抵抗レンジを使用して接点の抵抗値を測定することで、このような状態になっているスイッチを判別することができます。
具体的な手順は以下の通りです。
接点を閉じたときの抵抗値が0.1Ω〜1.0Ω未満であれば、一般的には許容できる抵抗値です。1.0Ωを超えてくると接触不良になる可能性が出てくるので、交換などのメンテナンスが必要になってきます。
このように、測定した抵抗値から接点の状態を診断することができます。
接触不良のチェックはスイッチ以外にも、電磁接触器の補助接点など様々な接点に応用がきくよ
モーターの不良を判断する
稼働中のモーターが急に動かなくなった場合、原因の1つとしてモーター本体の不良が考えられます。
モーターの不良にはベアリングの破損などの機械的な不具合のほかに、ステータコイルの焼損といった電気的な不具合も原因となることがあります。
この電気的な原因を探る場合にもテスターが役に立ちます。
モーターの診断は次のように行います。
・モーターの配線が電磁接触器などで完全に縁が切れている場合は離線しなくてもよい。
・モーターの線が2本しかない場合は、一方に赤色のテストリード、もう一方に黒色のテストリードをそれぞれ接触させる。
・三相モーターのように配線がR・S・T 3本ある場合は、R-S・S-T・R-Tそれぞれの抵抗値を測定する。
測定した抵抗値が極端に大きい(無限大)場合は、モーターのステータコイルが焼損等により断線している可能性があります。また、逆に抵抗値が極端に小さい場合はステータコイルがショートしている可能性が考えられます。
正常なモーターのコイル抵抗値はサイズや種類によって大きく異なりますが、数Ωから数十Ωぐらいが相場です。三相モーターであれば、R-S・S-T・R-Tそれぞれの抵抗値がだいたい同じぐらいであれば正常と判断します。
このように、モーターのコイル抵抗を測定することでモーター本体の良し悪しを判断することができます。
尚、モーターのステータコイル以外にも、ブレーキのコイルやミニチュアリレーのコイルなど、様々なコイルを使用した機器にも応用がききますので、是非不具合の発生時に役立ててください。
抵抗を測定するときは必ず電源を切ってから行ってくださいね
まとめ
以上、テスターの使い方について様々な例を交えながら解説しました。
テスターはその機能をフル活用することで様々な場面でとても役に立ちますが、多機能であるが故どのように使えば良いのか分かりにくい側面もあります。
まずは電圧測定・抵抗測定・導通チェックから始めて、順々に使い方を覚えていけば必ずマスターできると思います。
テスターは電気関係の仕事をしている方にとって欠かせない計測機器です。是非この記事を参考にして今後に活かしていただければ幸いです。