【超便利!】WAGO(ワゴ)ワンタッチコネクターの特徴と使い方について
電気工事を行ううえで必ず発生する作業、それが「電線同士の接続」です。
ケーブルなどとの電線同士を接続するには様々な方法がありますが、電線の加工や接続の為の工具が必要だったりと、何かと手間と労力が掛かる場合が多いです。
この記事では、そんな電線同士の接続に非常に便利なWAGO(ワゴ)製ワンタッチコネクタの特徴と、その使い方について解説していきたいと思います。
WAGO(ワゴ)のワンタッチコネクタは様々なシーンで使えるまさに万能選手!ご自身の仕事に是非活用して下さい。
WAGO(ワゴ)ワンタッチコネクタの特徴
WAGO(ワゴ)ワンタッチコネクタには次のような特徴があります。
簡単に接続ができる!
ワンタッチコネクタの特徴は何と言ってもワンタッチで簡単に接続ができる作業性の高さです。
従来のリングスリーブ接続や圧着端子同士のビス止め接続では、圧着工具が必要になるほかテープ巻きといった付帯作業も発生するので、1カ所接続するだけでもある程度の時間を要していました。
ワンタッチコネクタはレバーを上げて電線を差し込んだ後にレバーを戻すだけで一瞬で接続が完了します。
1カ所当たりの作業時間がかなり短縮されるので、かなりの時間工数削減に繋がりますね。
接続の信頼性が高い!
ワンタッチコネクタはWAGO(ワゴ)独自のスプリング構造により確実に電線をクランプします。かなり強い力でクランプされるので、電線と接点との接触信頼性がとても高いです。実際、接続した後に強い力で引っ張っても抜ける気配はありませんでした。
圧着接続でミスすると線が抜ける場合が有りますし、ビス接続だと振動で緩むことも有ります。端子台接続の場合は定期的な点検が不可欠です。
簡単かつ確実な接続が出来るのがこのコネクタの最大のメリットです。
接続する線の種類を問わない!
ワンタッチコネクタは単線・より線問わずそのまま接続することが可能です。
これ1種類で様々なシーンに対応することが出来ます。
省スペース配線!
接続部をテープ巻きすると巻いた部分が大きくなってスペースをとってしまいますが、
ワンタッチコネクタは本体がとてもスリムなので、配線の省スペース化が図れます。
狭い場所での接続作業もワンタッチコネクタならかなり楽に作業が出来ますよ。
WAGO(ワゴ)ワンタッチコネクタの種類
ワンタッチコネクタにはいくつかの種類があります。
WFR/WFR-Lシリーズ
WAGO(ワゴ)のワンタッチコネクタの代表的なシリーズがこの「WFRシリーズ」です。
引用先:WAGO(WFR/WFR-Lシリーズ 構造と材質)
写真のように複数の線を同じ方向から差し込むタイプで、様々なシチュエーションで使えるまさに万能選手です。
WFRシリーズには接続できる線の本数と電流容量によって、合計6種類ラインナップされています。
型番 | 接続 | 定 格 | 電線サイズ | ||
PSE 適合 | JIS 適合 | PSE 適合 | JIS 適合 | ||
WFR-2 | 2本 | 20A 300V | 32A 450V | 単線(銅) φ1.6、 φ2.0㎜ | 単線(銅) φ0.5〜2.0㎜ IV7本より線 0.2〜3.5㎟ 可とうより線 0.14〜4.0㎟ |
WFR-3 | 3本 | ||||
WFR-5 | 5本 | ||||
WFR-2L | 2本 | 30A 300V | 41A 450V | 単線(銅) φ1.6、 φ2.0、 φ2.6㎜ | 単線(銅) φ0.8〜2.6㎜ IV7本より線 0.5〜6.0㎟ 可とうより線 0.5〜6.0㎟ |
WFR-3L | 3本 | ||||
WFR-5L | 5本 |
221-2411シリーズ
221-2411シリーズはインラインスプライシングコネクタという名称で、WFRシリーズの直列結線タイプになります。
接続の仕組みはそのままに、線同士を直線接続したいときに便利なワンタッチコネクタです。
221-2411シリーズのラインナップはまだ1種類のみとなります。
型 番 | 定 格 | 電線サイズ | ||
JIS | PSE | JIS | PSE | |
221-2411 | 32A 450V | 20A 300V | 単線(銅) φ0.2〜4.0㎜ IV7本より線 0.2〜2.5㎟ 可とうより線 0.2〜4.0㎟ | 単線(銅) φ1.6、 φ2.0㎜ |
221-2411シリーズには「マウンティングキャリア」という別売りのアクセサリを使うことで、複数個並べて固定することも可能です。
引用先:WAGO(221-2411)
このようにして取り付けると見た目がとても美しくなりますね。
WAGO(ワゴ)ワンタッチコネクタを使う
それでは実際にWAGO(ワゴ)ワンタッチコネクタで電線を接続しながら使い方をみていきましょう。
WFRシリーズ
外観
まずはWFRシリーズから。手に持っているのはWFR-2シリーズのコネクタです。非常にコンパクトな外観をしていますね。
コネクタの側面には単線の適合サイズと定格値、導体のむき出し長さの目安であるゲージが印字されています。
電線の挿入口です。挿入口の奥に見えるのが導体をクランプするスプリング部分になります。「test」と書かれている部分には小窓が有り、接続した後に電気がきているかどうかを検電することが出来ます。
電線挿入口の反対側の面です。こちらにも「test」と書かれた小窓が有り、検電を行えるようになっています。
レバーを上げる
2つのレバーを上げて電線を挿入出来る状態にします。レバーはそこまで大きな力を掛けなくても上げることができます。
電線の被覆をむく
側面に印字されているゲージを目安に電線の被覆をむきます。むき出し長さは約11㎜です。
電線を挿入する
電線をコネクタに挿入していきます。コネクタの裏側は透明になっているので、ちゃんと電線が入っているかどうかを目で確認することが出来ます。
安心して接続作業が行えますね。
レバーを下げる
しっかりと挿入されていることを確認したらレバーを下げます。「パチンッ」という音と共に電線がしっかりとスプリングの力でクランプされます。
残りの線を接続する
残りの配線も接続しました。先端の被服さえ剥ければ接続作業は一瞬で完了します。
写真の電線はVCTF(可とうより線)の2㎟同士ですが、センサーのような細い配線同士や太い配線と細い配線の混在使用も確実に接続ができました。
見た目も綺麗ですね。
221-2411シリーズ
外観
221-2411シリーズも非常にコンパクトな外観です。
WFRシリーズと同様に単線の適合サイズと定格値、むき出し長さ目安のゲージが側面に印字されています。
電線の挿入口はこのようになっています。
この221-2411シリーズにはWFRシリーズにあった「test」用小窓は有りません。
レバーを上げる
WFRシリーズと同様2カ所のレバーを上げて配線が挿入できる状態にします。レバーの硬さWFRシリーズど同じぐらいです。
電線の被覆を剥く
側面のゲージを目安に電線の被覆を剥きます。221-2411についてもむき出し長さは約11㎜です。
電線を挿入する。
レバーを上げたコネクタに電線を挿入します。
221-2411シリーズについても裏側が透明になっているので、電線がちゃんと挿入できているかを目視で確認できます。
レバーを下げる
WFRシリーズど同様「パチンッ」という音と共に電線がしっかりとクランプされました。もちろん引っ張っても簡単には抜けません。
残りの線を接続する
これについても一瞬で接続が完了です。
もちろん太い線と細い線を任意に組み合わせても問題ありません。
すっきりとした見た目がいいですね。
ワンタッチコネクタ使用上の注意点
とても便利なWAGO(ワゴ)ワンタッチコネクタですが、使用上の注意点ももちろんあります。以下に当てはまるような使い方は避けるようにして下さい。
屋外での使用はできない
WAGO(ワゴ)ワンタッチコネクタは何処にでも気軽に使えるわけではなく、屋内での配線用途を目的とした商品になります。
屋外設備などの配線用途では使わないようにして下さい。エアコンの室外機の途中接続も推奨はされていません。
湿気や水気の多い場所では使えない
WFRシリーズに検電用の小窓がついているように、ワンタッチコネクタには防水性能はありません。
なので、屋内であってもお風呂場や屋根裏のような湿気が溜まりやすい場所に使うことはNGです。
屋外や湿気の多い場所での接続は防水コネクタ等の専用の電材を使うようにしましょう。
差し込みが不十分だと発熱などの恐れ
接続する電線の導体部分が曲がっていたり、より線がほつれたりしていると、コネクタの奥まで正常に差し込めず接続が不十分な状態になる可能性があります。
この状態で通電しつづけると発熱し、最悪の場合発火する危険性も考えられます。
導体部分が曲がっていたり一度接続して抜き取った場合などは、先端を剥き直して正常な状態で接続するように心掛けて下さい。
優れた性能をもつ製品ですが、使用上の注意は必ず守って正しく施工するようにしましょう。
ワンタッチコネクタで仕事が楽になる
以上、WAGO(ワゴ)のワンタッチコネクタについて、特徴とその使い方についてお伝えしました。
ワンタッチコネクタは内線規定などの規格に適合した製品であり、使用上の注意さえ守って正しく使えば様々なシーンで使える万能コネクタです。
是非ご自分の仕事の中に上手く取り入れて有効活用してください。